さて、今回は、インパルス不変法で設計した一次のIIRローパスフィルタの周波数特性計算式を導きます。

本のディジタルフィルタの計算式は、先の11/15 付けの記事から

y(nT) = x(nT) – {1-e^(-T/τ)}*y{(n-1)T} + y{(n-1)T}

(式9)

である。この式において、サンプリング周期T=1ms、時定数τを約15msとおいて、各種の入力波形に対して、出力波形を計算した。

インパルス入力に対する出力波形

11/17の記事

ステップ入力に対する出力波形

11/18の記事

正弦波入力に対する出力波形

11/20の記事

を計算してきた。

さて、(式9)の伝達関数は、先の記事

11/14の記事

から

1

G(z)=——————  (式5)

1-e^(-T/τ)*z^(-1)

この式において、z=e^(jωT)、あるいは 、z^(-1)=e^(-jωT)を代入すると、ωTに関わる式

1

G{e^(jωT)} = ——————  (式10)

1-e^(-T/τ)*e^(-jωT)

が得られる。オイラーの公式

e^(-jθ) = cosθ – j * sinθ      (式11)

より、

e^(-jωT) = cos(ωT) – j * sin(ωT)

であるから、

1

G{e^(jωT)} = ————————-

1-A*{ cos(ωT) – j * sin(ωT) }

(式12)

ここで、

A = e^(-T/τ)         (式13)

と置いた。さらに、分母の実数部と虚数部(jの付いている項)を分けて

1

G{e^(jωT)} = ————————-

1-A*cos(ωT) + j *A*sin(ωT)

(式14)

となる。分母の

実数部 + j 虚数部

の形を

絶対値*e^(j位相)

の形に直す。この形を

Abs * e^(j *Angle)

と置けば

Abs = √ { (実数部^2) + (虚数部^2) }

Angle = arctan ( 虚数部 / 実数部 )  [rad]

で得られる。(式14)の分母は

実数部 = 1-A*cos(ωT)

虚数部 = A*sin(ωT)

なので

Abs = √ { (1-AcosωT)^2 +(AsinωT)^2}

(式15)

Angle = arctan ( AsinωT / 1-AcosωT)  [rad]

(式16)

となる。

1               1

————–   =  — * e^{j(-Angle)}

Abs * e^(j *Angle)    Abs

なので、(式14)は、

1

G{e^(jωT)} = — *  e^{j(-Angle)}

Abs

(式17)

となる。周波数特性のゲイン特性(振幅特性)は、(式17)の絶対値の部分から

1

g(ω) = —-

Abs

1

= —————————–

√ { (1-AcosωT)^2 +(AsinωT)^2}

(式18)

デシベル[dB]表示にしたいときは、

20 * log 10 | g(ω) |    [dB]

を計算する。

次に、位相特性は、(式17)の位相の部分から

φ(ω) = -Angle

=  – arctan { AsinωT / (1-AcosωT) }  [rad]

(式19)

度[deg]の表示にしたいときは

φ(ω) / (2π) * 360   [deg]

を計算する。

ただし、

A = e^(-T/τ)         (式13)

次の記事では、周波数特性(ゲイン特性、位相特性)を計算してみよう。