MOS Bench(モスベンチ)のデメリット

MOS Bench(モスベンチ) のデメリットについても、正直に書くよ。

比較する相手は、Windowsリアルタイム制御をしたい目的で

「RTX-SDKまたは、INtime-SDKを買ってきて、自社でWindowsリアルタイム制御システムを構築する」

という案。

■デメリット

(1)、MOS Bench(モスベンチ)のランタイム代は、RTXやINtimeのランタイムライセンスより高い

そりゃ、当然だよね!

MOS Bench(モスベンチ)は、RTXのランタイムに加えて、
・各種PCIカードのドライバ
・リアルタイムインタープリタ
・リアルタイムサンプリングの動作波形ソフト
・マニュアル
とか装置制御に必要なものがいっぱい入っているから。

そのかわり、

・RTX-SDKを購入しなくて良い
・自社でソフトを1から作らなくて済む、それをメインテナンスしなくて済む
・しくみを作ったプログラマーがそのしくみのお子守に呼ばれなくて済む
・作ったソフトをテストしなくて済む

(2)、自由度が多くない

そりゃ、当然だよね!

RTX-SDK買ってきて、自分で作れば、自由自在、なんでもOKだから。

MOS Bench(モスベンチ)は、
・PCIカードは、この中から選んでね
・マルチタスクのしくみはできているから、ここへ割り当ててね
・エラー処理のしくみはできているから、乗っかってね
・モータ制御、IO制御に関わる関数は、できているから、使ってね
・メカに関わる1mmあたりのパルス数、最高周波数とか、設定ファイル項目は決まっているので、そこに値を入れてね
とか、全部決まっている。

その代わり、

・RTX-SDKを購入しなくて良い
・自社でしくみを作らなくて良い、そのメインテナンスをしなくてよい
・しくみを作ったプログラマーがそのしくみのお子守に呼ばれなくて済む
・自社の大切なプログラマにしくみのマニュアルを書かせる必要がない

(3)、最高に速くできない

そりゃ、当然だよね!

RTX-SDKを使うなら、インテルCPUでリアルタイムに実行するバイナリーコードを開発して、最高速の制御ができる。

MOS Bench(モスベンチ)では、

ユーザが書いたIO制御プログラムを中間コードに変換して、そのコードをリアルタイム動作するリアルタイムインタープリタ(高速翻訳ソフト)上で実行するので、オーバヘッドがある。Core2Duoなら、ユーザプログラム1行あたり1μsくらいかかる。

そのかわり

・RTX-SDKを購入しなくて良い
・自社でしくみを作らなくて良い、しくみのメインテナンスをしなくてよい
・しくみを作ったプログラマーがそのしくみのお子守に呼ばれなくて済む

■まとめ

以下の方には、MOS Bench(モスベンチ)を勧めない!

1、チップマウンタみたいに1ms以下のタイミング制御をばっちりやりたい

2、1ms以下の制御が競争力の根源だから、プログラミングのプロを内部に抱えたい

3、優秀な人がいるから、RTX-SDKやINtime-SDKをぜひとも使わせてみたい

4、高速制御のしくみを作った優秀な人間を、ずっとそのしくみのメインテナンスのために張り付けておける人的余裕がある。

5、自社の装置の競争力は低コストなので、原価は可能な限り抑えたい

その他、MOS Benchの導入メリットが少ない方

6、大きな物を動かすので、装置のタクトは、そんなに気にならない

7、モータ制御軸数が少ないので、制御プログラムは難しくない

■リアルタイムインタープリタ(高速翻訳ソフト)処理能力評価記事はこちら、

Core2Duo 1.8GHz

2008/12/15の記事

PentiumⅣ 2.4GHz

PentiumM 1.8GHz

PentiumⅢ 850MHz

2009/01/12の記事